2010年11月20日土曜日

アメリカ出張

前回の予告?から一年半、何とか5年以内の更新を果たしました。この半分化石化しているスタッフコラムですが、ブログを導入してもっと情報をしっかりと提 供しよう、という動きが博物館内で高まっており、現在の形でお送りするのはあと数回、となるかもしれません。今後に注目!です。

ということで、今回のコラムは10月のアメリカ出張の報告です。

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10月10-13日に、ペンシルバニア州ピッツバーグ市で行われた SVP 70th Anniversary Meeting (古脊椎動物学会 年次総会) へ参加してきました。SVP meeting では海生四足動物の進化に関するシンポジウム Physical Drivers and Marine Tetrapod Evolution(進化の物理的要因と海生四足動物の進化)で発表を行い、この分野での最新の研究に触れてきました。

海生四足動物とは、陸上で生活する ようになった脊椎動物、つまり両生類、爬虫類、哺乳類、鳥類の中で、もう一度海に戻って生活するようになった動物を指し、足寄動物化石博物館で展示してい るデスモスチルスの仲間や、クジラ、プロトプテルムなどはまさにこれらの『海生四足動物』です。

『海生四足動物』の進化にはまだまだ解き明かされていない 謎がありますが、足寄で産出している化石たちはそういった進化の謎を解き明かす鍵となる標本であることをあらためて実感しました。海外の研究者からも、 「足寄のあの標本はどうなっているんだ?」という問い合わせや、「今度足寄の標本を調査に行くのでよろしく」など、足寄動物化石博物館が『(研究者のあい だでは)世界的に有名』であることも確認しました。

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写真は SVP meeting に先立って行われた巡検旅行 LATE DEVONIAN VERTEBRATES FROM THE CATSKILL FORMATION IN NORTH CENTRAL PENNSYLVANIA(中央ペンシルバニア北部後期デボン紀キャッツキル層の脊椎動物)の様子です。

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後期デ ボン紀は魚類から両生類への進化が起こった時代で、ティクタリクやイクチオステガなどの移行的な形態の化石が見つかっています。キャッツキル層はニール・ シュービン著『ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト』でも紹介されている地層で、本の登場人物でもある Ted Daeschler 博士がリーダーとして案内をしてくれました。いろんな面で面白さのつまった巡検旅行でした。
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